千曲のパワースポット「姨捨山(おばすてやま)」をご紹介

温泉街から車で約15分程、山麓の斜面になだらかな棚田が広がっています。
その田圃からは、眼下に千曲川が悠然と流れ、その向こうに善光寺平、
遥かに北信五岳の山々が連なる雄大な眺めを望むことができます。

この地は古くから月の名所として知られ、京都の広沢の池、滋賀の石山寺と共に、
日本三大名月の里と呼ばれ、千曲川の対岸五里ヶ峰から昇る月が棚田の田ごとに
映る様から、「姨捨田毎(ごと)の月」と呼ばれています。

この地にある古刹「長楽寺」の境内には樹齢数百年と云われている千年桂の大木や、
姨捨伝説が語り伝えられている姨岩(おばいわ)がそびえ立っています。
姨岩には頂上まで登ることができ、棚田同様眼下に更級の里と千曲川を望めます。

孝行息子の昔話で知られる姨捨説話ですが、この姨岩にまつわる話には
こんな言い伝えも残されています。
9月は中秋の名月、一年で一番月の美しい季節です。
千曲市更級の地に残る伝説の地へ、名月を愛で、古人を偲ぶ旅はいかがですか。

≪姨捨伝説≫
昔々、都に木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)と大山姫(オオヤマヒメ)という
姉妹が居りました。高貴な生まれの姫たち、絶世の美女で良縁も得た妹の木花開耶姫とは異なり、
姉の大山姫は醜形で縁も無く、寂しさから心も邪険になり側近たちを困らせてばかりいました。
或る時、人づてに「信濃の國に月の澄める里有り、この月を眺むれば心慰められん」との言葉。
それを聴いた大山姫は信濃に旅立ち、ここに辿り着いた時には一年で一番月が美しい
中秋となっていました。折柄眼下の山々から昇る月と光映す千曲の川面、里を照らす月明かりを
見て大山姫は感動し、これまでの邪険を心から詫び、来世には清い心と身体で生まれ変わりたいと
念じてこの大岩から身を捨てました。
それ以来、この大岩は姨岩(おばいわ)、姨石と呼ばれるようになりました…。
後に哀れを感じた姫の姪と甥が慰霊のためこの地を訪れ、姨岩の東下方に姪石、西下方に甥石、
その中間に子袋石を残しています。

2010年09月01日(水)|しげの家便り
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